お元気ですか、かにかまです。

今週のメルマガのテーマは、
ジブリ映画『風立ちぬ』についてです。

前回は、
主人公が人生なめてる
ということについて書きました。

今回はヒロインについて書きます。

ヒロインもやはり
「いい家庭」に生まれ、
幼いころ出かける際には
侍女が付き添って、
何気なくフランス語が話せる
というような人物です。

主人公との出会いは、
関東大震災の時、
同じ列車に乗り合わせていたことが
きっかけとなっています。

地震の際に怪我をしてしまった侍女を
黙々と助ける主人公の姿に
惚れ込んだようです。

ただし二人はそれから
数年会うことはありません。

再開したのは
主人公が飛行機開発に失敗して
失意とともに休養に入った時、
ヒロインは療養先で絵を
描いていた時でした。

その時ヒロインが描いていたのは
鮮やかな色使いの油絵です。

「淡い色使いと繊細な線で描く絵もあれば、
鮮やかな色使いと大胆な線で描く絵もある。
どちらがいいというわけではなく、好みだ」

中学生の頃、絵画教室で
言われたことです。

人生なめてる主人公にひかれるのも、
好みだと思います。

あ~私もモテたい……

話がそれましたね。

大震災の時に助けてもらったからといって
一回あっただけの人を数年間覚えていて
再開して恋人になって
結局結婚するなんて、
とてもロマンチック
と思うかもしれません。

ですが、
そんなたった一回の出会いを
ずっと忘れないなんていう
夢見る少女的なところこそ
人生なめてるポイントです。

人を好きであることが、
結核を患っていたヒロインの
辛い現実から逃避する手段
だったのかもしれませんね。

当時の結核は不治の病。

自分が死ぬなんて考えたら、
そんな現実と向き合うなんて
とてもじゃないですができません。

「鮮やかな色使いの油絵」
にも病弱な自分という現実への
逃避を感じませんか?

そんなヒロインにとって、
主人公への恋は都合の良い逃避先
だったのではないでしょうか。

主人公のもとを
ひっそりと出ていくヒロインに対する

「大好きな人に、
自分の美しい部分だけを
見てほしかったのね」

というセリフに、
実はヒロイン自身こそ、
美しい部分だけを見たかった
のではという感想をもちました。

他人への気持ちは
自分自身への気持ちの投影、
といいますからね。

そして、
物事の一面だけをみようとするのは、
「楽して稼ぎたい」
なんて考える
人生なめてるやつと同じです。

それが悪いことだとは思いません。

「好み」の問題だと思いますが、
繊細で淡い色の絵も、
大胆で鮮やかな色の絵も、
楽しめたらいいですよね。

次回は
『風立ちぬ』の感想
についてのまとめとなる予定です。

ではまた、
自分自身を王様のように
「おもてなし」していきましょう。

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