ネタバレありの感想となります。
「少女と自動手記人形」は、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 上巻』に書かれている物語です。
7歳の娘が、命を削って手紙を書いている母親をみて、
「もう書くのやめて! 体を大事にしてほしい」
と泣き叫びます。
それでも、書くことをやめない母親。部屋から閉めだされた娘は、納得できず、代筆屋=自動手記人形に尋ねます。
「……どうして手紙なんて書くの?」
「人は人に届けたい想いがあるからです」
誰かわからない手紙の受取人に対して嫉妬します。
「そんなのとどかなくていい……」
結局、母親は手紙を書き終えて数カ月後に亡くなります。
一人残された娘。
娘は、悲しみに暮れて人生を棒に振ることはありませんでした。
彼女を支え励ましていたのは、誕生日に届く手紙です。
母親の筆跡で書かれた、励ましの手紙。
その手紙が娘に、「いつも母親に見守られている」という実感を与えます。
娘は大きくなって、弁護士となり、結婚もしました。
それでも、誕生日には届く、手紙。
「今日もおばあちゃんから手紙とどいたのー?」
彼女の娘も誕生日の手紙を楽しんでいます。
「私も娘に手紙を書こう」
若き日、自分で未来の自分に嫉妬していた娘が、
代筆を依頼するのは、母が最期に呼んだのと同じ人物。ヴァイオレット・エヴァーガーデンです。
世代を超えて伝わる想い・言葉の力に感動しました。
少女がした質問は、ブロガーに尋ねても良い質問かもしれません。
「……どうしてブログなんて書くの?」
お金儲けがしたい、それだけではないはずです。