お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真(かわにしかずま)です。
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他人を思いやる心、
大切ですよね。
最近私が興味を持っている
非暴力コミュニケーション(NVC)でも、
思いやる心が大切と言われます。
お互いを思いやることができれば、
争いなんて起きません。
ですが、人は誰しも
思いやる心を失うことがあります。
例えば身近な例でいうと、
時間がなくて焦っている時、
お金に余裕がない時、
心にゆとりがない時、
自分のことで精一杯な時、など
他人のことまで思いやるのが
難しい状況があります。
もしくは自分に対しても、
「忙しいから」
「仕事だから」
「こうするしかないから」
というような心の声で
自分自身を痛めつけたり。
人間が思いやりの心を
状況によって忘れてしまうなら、
機械に管理させればいいんじゃないでしょうか?
ここは、
「他人を思いやる心」が
AIによって管理される未来。
灰色の絵画
夕暮れ時の郊外の庭で、
ボロ布をまとった男と、
魔女風の衣装を着た女。
「『思いやりの心』を失った者は、
亡者と呼ばれ、北の施設へ送られる。
そこから出ることはなく、
世界の終わりまで囚人だ。
お前は亡者になんてなるなよ?
私のかけた時間が無駄になる」
女はそう言いながら、
男の描いた絵画について
指摘を入れている。
「ここには少し差し色を入れたらどうか?」
「光は赤く、影は青くする、というのがセオリーだ」
「お前の絵には光と影の色がない。灰色の絵だ」
「僕には世界の色なんて見えませんよ」
「そういう描き方は向いていないんです」
男はモノクロの絵を仕上げていく。
「向いていない、ということはないと思うんだがな」
「お前には他人に見えないものが見えている。才能もある」
「向いているんだから色を入れてみろ」
「……」
男はしばらく考え込み、
「向いている、と言われると僕は悲しくなります」
「向いてない、と言われたほうが心地良いか?」
「どうでしょうか……マゾというわけではないと思うのですが」
「
(しばらく問答が続いて……)
「コミュニケーションAI、識別No.IK-31797。本日の介入は以上とする」
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