もっと人生なめたほうが良い ミヒャエル・エンデ『モモ』

お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真()です。
アセンブリック教のご紹介はこちら。

自分の人生の
残り時間ってどれくらいだろう?

そう考えたことはありませんか?

1年が365日として
1日24時間……

あと50年は生きられるとして、
24時間×365日×50年=438,000‬時間
分になおすと26,280,000分
秒なら1,576,800,000秒

あぁ!

こうして考えているうちに
残り1,576,799,990秒に
なってしまった!!!

とか考えて
後悔していることは?

この記事では、
ミヒャエル・エンデ『モモ』から
時間のなめ方をお伝えしていきます。

倹約しようとすればするほど時間はなくなっていく

『モモ』の中に
時間倹約銀行というものが
出てきます。

大切な時間を貯蓄しませんか?
利子もついてお得ですよ?

今までどれくらいの時間を
無駄にしてきたんですか?

友人とダラダラ話したり、
ゆっくり寝たり、
年老いた親の面倒を見たり、
ペットの世話をしたり。

そんな無駄な時間を倹約して、
何かを残したと言えるような
そんな人生にしていきませんか?

などというように、
言葉巧みに時間の節約を
呼びかけていく銀行員たち。

まんまと騙された人たちは
時間を倹約しようと
無駄なおしゃべりをやめたり
効率的に仕事をしようとしたり
友達付き合いを断ったり
していきます。

そうして時間ができたかと思うと……

不思議なことに
全く時間は手元に残りませんでした。

私も彼らと同じように、
睡眠時間を削って、
食事の時間さえも無駄に感じて
もちろん人付き合いも断って
(友達がいなかっただけかもしれません)

一生懸命働こうとしたり、
余分な時間で勉強したりして
お金持ちになるぞ―

と思っていたのですが、
不思議なことにそんな時間は
生まれませんでした。

むしろ、
イライラするばかりで
精神的に良くなかったですね。

時間を倹約しようとすれば仕事が楽しくなくなる

『モモ』の登場人物に、
散髪屋さんがいます。

彼は仕事の中で、
お客さんと無駄話をしたり
丁寧にハサミを使っている時間を
そこそこ楽しんでいました。

けれど時間倹約銀行に騙されて
効率的に働こう、
無駄な時間を減らそう、
と思ってしまってからは
仕事の楽しさはなくなってしまい
ただ業務として働くだけに。

あなたは仕事を楽しめているでしょうか?

それとも、
こんな仕事をしている時間は無駄
と考えてしまっているでしょうか?

良いことなのか悪いことなのか
分かりませんが、
私も現場監督の仕事に
何かこだわりを持って働いていた時、

例えば図面をきれいに作ろうなど、
考えていた時には
それはそれで楽しさがありました。

働き方改革によって
仕事の効率化が叫ばれるようになり、
どんどん他の人に頼むようになると
そういう楽しさはなくなったように思います。

残業時間は減って楽にはなりましたけどね。

無駄な時間とは何なのか

時間を無駄にしてはいけない。

そう思って生きている間は、
例えて言うなら
何か大病を患ってしまって
余命が宣告されているかのような
追い詰められた感覚です。

いや、
大病を患ったことはないので
違うかもしれないのですけど。

健康であるのに病人のふりをするのは
それはすなわち病気である

こんなことを
どこかの偉い人が言っていたような気がします。

本当に時間がない人は、
人生の残り時間がー
とか考えることはありません。

少なくともそういう、
考え事をしてしまう時間はあるのです。

それなのに、
時間がない時間がないと言って、
大切な友人との時間を減らしたり
大好きな趣味の時間を失ったりするのは
もう立派な病気ですよ。

治療が必要ですね。

無駄にしたくないという病気

時間が余ったら余ったで、
何かをしていないと
時間を無駄にしている
という罪悪感に責められる。

だから余った時間を
何かで埋めていって、
どんどんやることが増えていくから
時間はなくなって
さらに時間を倹約しなきゃ
と思うようになる。

病気の源は、
無駄にしてはいけない
無駄にするのは罪だ
という思い込みです。

私もこの罪悪感で大変なことになりました。

時間がもったいないなら、
食料ももったいないのです。

鳥肉を腐らせてしまった時、

食料を無駄にしてしまった……
命を無駄にしてしまった……

そんな罪悪感に責められた
私がとった非常識な行動とは……!

腐った肉を食べると生きることに本気になれる
お元気ですか、かにかまです。 かにかまって何?⇒プロフィールはこちら。 昨日、冷蔵庫に放置していた 鳥の胸肉を食べました。 冷蔵庫から取り出した瞬間に、 鼻に残るようなエグいにおいがします。 皮は黄色っぽく、 その身は 白く濁った粘液に浸か...

クソにまみれてしまった私が
どん底から抜け出した方法。

それは自らの罪悪感と向き合うことでした。

お金がほしいのか時間がほしいのか

お金がほしいけど
実際にお金があったとしたら、
時間が欲しくなるはずなんですよね。

本当はもっと、
ゆっくり寝ていたいし
友人とウィスキーでも飲みながら
じっくり語りたいし、
いろいろな本を読みたい、
TRPGもやりたい。

なんなら本気で、
永遠に生きていたい。

友人と同じ時間を生きるということ

友人と過ごせる時間は、
悲しいくらいに少ない。

それは人それぞれに
大切にしたい時間があって、
忙しい毎日を生きているから。

でもほんの僅かな人たちとなら
大切にしたい時間を
共に重ねていけるかもしれない。

時間がないという思い込みから
そんな可能性を捨ててしまうとしたら
それこそ本当の罪なのではないか。

お金をもっと稼ぎたい
いわゆる成功をしたい

その気持も大切ですが、
その先にやりたいことにこそ
本質があるのではないか
と最近は思っています。

人間の本質?

そんなことは知りませんが、
『エッセンシャル思考』
という本にこんなことが書いてあります。

本当に重要なものごとを
見極めるために必要なことは5つ。

じっくりと考える余裕、
情報を集める時間、
遊び心、
十分な睡眠、
そして何を選ぶかという厳密な基準だ。

(中略)

忙しく動き回ることを有能さの証
だと思っている人は、
考えたり眠ったりする時間を
なるべく減らそうとする。

しかし本当は、
立ち止まる時間こそが、
生産性を高めるための特効薬だ。

立ち止まる時間は無駄な寄り道ではなく、
前に進むための最短コースを教えてくれるのである。

『エッセンシャル思考』PART2見極める技術

そして、
ヨハン・ホイジンガという
哲学者によれば
人間の本質は
「遊ぶ人」
なのだとか。

無駄にしていると感じる
「遊び」の時間こそが、
私たちにとって
大切なのかもしれません。

人間の本質については、
こんな記事も書きました。

人生なめてるを英語でいうと「make light of life」
家で過ごしている時、時間が余った時、あなたはどうしていますか? 何もやることがなくて、「何のために生きているんだろう……?」なんて疑問に思ってしまうことはありませんか? 何かしていないとその不安を乗り越えられそうになくて、お酒を飲みすぎたり...

遊び心を取り戻す

『モモ』の冒頭に
子どもたちが船長や、
一等航海士、研究者などの
役になりきって遊ぶシーンがあります。

たしかに何もなくても
子どもの自由な発想で
遊びは生まれますよね。

その自由な発想が
最近はコンピューターゲームで
制限されているといえます。

「はい」「いいえ」などの
決められた選択肢が提示されないと
自分の行動を選ぶことができない人たち。

本当はそれ以外にも
無数の選択肢があるのに。

遊びにおいて、
本当の自由を取り戻すものに
TRPGがあります。

TRPGについて
いくつか記事を書いているので
「最近遊び心を忘れたな」
という方は、
以下の記事も読んでみてください。
子供の頃のように夢中になるために
遊び心を取り戻すために必要な
4つのことについて書きました。

TRPGってどんなものなの?
ということを知りたい方は
こちらの記事をどうぞ。
人生なめてるやつのTRPG(クトゥルフ7版)
動画で流行っているTRPGについて。

そこはかとなく孤独感を
感じている人はこちらをどうぞ。
人生なめてるやつがゲームから学ぶこと
本当は寂しくて仕方ないんじゃないかな、
ということをTRPGから学びました。

いや、TRPGって
依存しそう……
と不安な方はこちらをお読みください。
TRPGではゲーム依存にならないって本当?

TRPGとかどうでもええわ。
でも人間の本質ってなんだ?
と気になる方はこちらをどうぞ。
人生なめてるを英語でいうと「make light of life」

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