映画 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』 なめてる感想

お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真()です。
アセンブリック教のご紹介はこちら。

京都アニメーション大賞唯一の
大賞受賞作品、

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』

その外伝の映画が、
9月6日(金)から
上映されています。

この記事では、
映画の感想をお伝えします。

ただの感想ではなく、
なめてる感想記事ですので、
覚悟してお読みください。

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝』のあらすじ

……大切なものを守るのと引き換えに僕は、
僕の未来を売り払ったんだ。

良家の子女のみが
通うことを許される女学校。

父親と「契約」を交わした
イザベラ・ヨークにとって、
白椿が咲き誇る美しいこの場所は
牢獄そのもので……。

未来への希望や期待を失っていた
イザベラの前に現れたのは、
教育係として雇われた
ヴァイオレット・エヴァーガーデンだった。

ー『ヴァイオレットエヴァーガーデン 外伝』公式サイトより

将来は、良家の跡取りか、公爵夫人か。

世間一般からすれば、
経済的に恵まれていて、将来も安泰。

そんな環境にいながらも、
「ここは牢獄」
と思ってしまう。

それはなぜか?

守りたいものを守れていないからです。

どれほど裕福な暮らしをしても、
自分にとって大切なものを
持たないとしたら、
心に穴が空いたような、
空虚な毎日を過ごすことになります。

楽がしたい。金はほしい。
といいながら、
恵まれている自分をどこか
負い目に感じてしまうような。

生きることに絶望していた少女が
「永遠」を見つける物語。

それは、
人生なめてるやつが成功する物語
でもあるのです。

「守りたい」気持ちの裏側にあるもの

※ネタバレあります

人はなぜ、
誰かを「守りたい」
と思うのでしょう。

親を持たず、狭い家に住み、
その日暮らしをしていた少女。

同じように、
一人でうずくまって
寒さに震えている少女を見て、

「私の妹にする」

自分が食べるものにも困っているのに、
他人の面倒を見ていくなんて、
「共倒れするぞ」
と、言われながらも
少女の選択は変わりませんでした。

自分の保護を必要とする人がいる。

その事実が、
生きる理由となるのです。

ある意味、心を病んでいますよね。

「救いたい」は心の病? 宗教にはまる人のホンネ
お元気ですか、かにかまです。かにかまって何?⇒プロフィールはこちら。 「誰かを救いたい」 「人の役に立ちたい」 そんな風に思うことはありませんか? 人のためを思える心というのは 美しいものですよね。 私も、人生に悩む誰かを 救いたいと思って...

しかしながら、人の力では、
救える人なんて限られています。

「いつまでこんな暮らしを続けるんだ」
「無理だと分かっているんだろう?」
「ヨーク家に来るのなら、妹の生活も保障する」

会ったこともない父親が来た時に、
少女は現実に直面します。

そうして、
自分の力で大切なものを守る
という自分の未来を売り渡し、
大切な妹を守る、守ってもらう、
という選択をしたのです。

その時の少女の心情は、
映画では表されていませんが、

無力感、喪失感、寂しさ、悔しさ、
などの感情が
入り混じっていたのではないでしょうか。

「永遠」とは?

映画のサブタイトルは、
「永遠と自動手記人形」
です。

ここでいう永遠とは
どのようなものなのでしょうか。

時が流れて、
社会が発展しても、
変わらないもの。

それは
「大切なものを守りたい」
と思った自分の気持ちであり、
相手との関係性でもある

というのが
映画を通して
私が受け取ったメッセージです。

でも、
今考えてみると
気持ちも関係性も
「永遠」ではないと思います。

過去に大切だったからといって、
今も大切だとは限りません。

もっと大切なものが
できているかもしれないし、
どうでも良くなっているかもしれないし、

大切だと思っていた気持ちは
嘘だったかもしれません。

永遠だとするならば、
過去の自分の気持ちに
縛られて生きることにもなります。

そんな生き方は、ある意味
「永遠の牢獄」
なのではないでしょうか。

届かなくて良い手紙もある

「届かなくていい手紙なんてない」

劇中のセリフです。

手紙=伝えたい思い
なのですから、
思いはしっかり伝わるべき
ということですね。

ですが私は、
届かなくて良い手紙もあると思います。

例えば、不幸の手紙とか。

”この手紙を受け取ったら、
3人に同じ内容の手紙を送らなければ、
あなたは不幸になります。”

まぁこれは冗談ですが。

『アダルト・チルドレン癒しのワークブック』
という本の中に、
「親への手紙を書く」
というワークがあります。

この手紙は、
幼いころの自分が抱えていた思い
怒りをぶつける手紙です。

「喧嘩ばっかりしやがってクソ!」
「ほったらかしやがってクソ!」
「私は小さいころとても悲しかった」
「あなたにとても傷つけられた」

というような内容です。

手紙を書く目的は、
自分の気持ちに気付くことであり、
必ずしも届ける必要はない
とされています。

私も5通くらい書きましたが、
親へは渡していません。

それでも、
自分の奥にある気持ちに気付くためには
必要なプロセスだったな
と、今では思います。

決して届かなかったとしても、
自分のために手紙を書く
意味はあります。

書くことで気持ちに気付けること、
ありますから。

大切なものが世の中に
何もなかったとしても、

「自分の気持ち」
だけは大切にすること。

そうすれば、
「守りたいものを守る」
ことができますよね。

あなたも
「守りたいものを守る」ために
手紙を書いてみませんか?

 

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