お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真(かわにしかずま)です。
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エルデンリングTRPG、
キャンペーンを継続して遊んでいます。
現在やっと、
最初のボス
忌み鬼、マルギット
を倒したところ。
EP02から
プレイヤー1名を追加で募集し、
参加プレイヤーは4名となりました。
まだまだ先は長いです。
おそらく、
日程調整などやりながらだと
1年以上は遊べると思います。
さてここでふと考えるのですが、
それだけ長時間遊ぶとして、
原作を再現しているシステムである
エルデンリングTRPGに、
原作に通ずる本質的な面白さ
はあるのでしょうか?
エルデンリングや
ソウルシリーズを生み出した
フロムソフトウェア、
宮崎英高氏の原点を辿る
という動画を発見しましたので
そこから考えてみたいと思います。
面白さの原点とは
動画によると、
宮崎英高氏の面白さの原点は
幼少の頃に触れた
ファンタジーRPGです。
それは現代イメージされるような、
デジタルゲームではなく
アナログゲームである、
D&D(ダンジョンズアンドドラゴンズ)や、
ゲームブックの
ファイティング・ファンタジー
などでした。
大人向けの作品だったため、
まだ習っていない漢字も多く、
挿絵などをヒントにして
理解できない空白を
自身の想像で埋めていくという
執筆者と共に物語を執筆
しているかのような体験
だったと言います。
本をたくさん読みたいけど
なかなか買えないので
図書館に行って読み漁る
という行動も能動的ですよね。
本当に興味を持ったことに対しては、
誰でも行動力を発揮する
そういうものかもしれません。
宮崎氏の幼少期の体験は、
後のゲーム作りにおいて
環境ストーリーテリング
という手法で再現されます。
順を追って物語を語るのではなく、
情報の断片から
能動的に物語を理解してもらう
という手法。
たしかに空白が多いのですよね。
なんかNPC消えたんだけど?
とか、
この人誰? 急に襲いかかってきたけど?
とか、そういうことが多々あります。
初めてのプレイだと、
?マークがたくさん浮かびますが、
アイテムの説明文や
他のNPCの状況をみていくと
何が起こったか
なんとなく分かったりして
味わい深いです。
エルデンリングTRPGと環境ストーリーテリング
では、
エルデンリングTRPGにおいて
環境ストーリーテリングは
有効に機能しているかをみてみます。
ストーリーについては、
原作通りのため
一見大丈夫かと思えますが、
原作未プレイの場合、
?が浮かんだまま
解決できないことも多いでしょう。
断片的な情報が
さらに削られているからです。
エルデンリングTRPGでは、
書籍の容量の関係で、
アイテムの説明文が掲載されておらず、
また、状況の説明も
テキストといくつかの静止画像のみで、
3Dグラフィックの原作と比べると
情報量が限られています。
想像の余地が大きいとも言えますが、
味わい深い情報も抜けてしまい
もったいないように思います。
だから原作を遊びたくなったのかもしれません。
原作では今、
つるはしを武器にしていますが、
武器の説明文がかっこいいです。
「小童め、お前は岩より分厚いのか?」
強敵と遭遇するたびに、
心の中でフレーズを繰り返しています。
一方で、
TRPGという遊び自体が
環境ストーリーテリングだ
とも言えます。
キャラクターの経歴をダイスで決めたり、
どういう目的で冒険しているのか、
仲間との関係性はどうなのか、
パーティーでの役割は?
など、
参加者が能動的に物語を作る
という部分のある遊びだからです。
まあエルデンリングTRPGでは、
探索とハック&スラッシュと
ビルドを楽しむゲーム
という点を重視していて、
キャラクターの物語については
あまり触れられていないのですけどね。
参加者次第というところでしょう。
挑戦、発見、達成感というコンセプト
ゲーム性という点について、
ソウルシリーズから
エルデンリングまで
宮崎氏の手掛けたゲームには
明確なコンセプトがありました。
・挑戦
・発見
・達成感
の3つです。
原点を考えてみても、
半分以上が理解できない本を
挿絵などから
想像で補いつつ理解するという挑戦、
理解できない空白が
埋まったときの発見、
読み終えたときの達成感、
というように、
コンセプトと繋がっているように思えます。
原作エルデンリングで、
ミケラの刃、マレニアに
16時間負け続け、
その中で相手の
行動パターンを覚えていって、
攻撃を入れるタイミングが分かってくる。
その過程に熱中する楽しさがありました。
今までのボスで一番苦労したけど、
一番楽しかった。
そういった原作の楽しさが、
エルデンリングTRPGにもあるか
というと、
セッションにおいては、
挑戦の部分ではあまり感じられません。
さすがにTRPGとして、
16時間も負け続けることは難しい、
というか面白くないからでしょう。
しかしセッション外で見れば、
挑戦と言えるものがあります。
まず624ページもあるルールブック。
膨大なデータを読み解くことが、
挑戦と言えるかもしれません。
”ルールブックの探索”から
エルデンリングTRPGは
始まっていたのです。
発見と達成感については、
プレイヤーさんのお話など聞く限り、
・データの中から強い組み合わせを発見する
・発見したデータでキャラを組んでみて、セッションで試してみる
・うまく噛み合って活躍するという達成感
という流れや、
・未知のフィールドを探索して、経験値や新しい武器を集めていく
という点に、
コンセプトが表れているように思います。
狭間の地とは、
セッションの中と外、
その汽水域にあったのだ。
本当の挑戦とは
さてここからは、
ゲームとはあまり関係のない話です。
困難なステージに挑戦する面白さ
が、ゲームのコンセプトとなっている
という話をしました。
たしかにこの挑戦の面白さは
ゲームでも感じられて、
大変苦労したマレニア戦ですが、
終わって一晩明けたら
また戦いたくなっています。
16時間も負け続けたのに。
16時間。
ふと現実にかえると、
16時間を工数で言えば
8時間=1工数となるので
2工数です。
2工数でできる仕事は限られていて、
大きな仕事をしようと思えば
その2工数を積み重ねる必要があります。
おそらくですが、
挑戦が楽しい
と思えるのは、
2工数で終わる程度の難しさ、
休日2日集中すれば
クリアできる程度の難しさ
だからであって、
毎日続ける必要があるとしたら、
多分、飽きてきます。
2日目くらいで大体パターンがわかるし、
できなかったことも
できるようになってくる。
最初、
アルトリウス戦で苦労しましたが
周回して何度も戦って
今ではノーダメージ撃破もできる。
そのように。
挑戦する過程が面白かった
はずなのに、
できるようになると、
作業感の方が増えてくる。
面白さはあるとしても
それは挑戦の面白さとは別もの。
人生も同じかもしれません。
30年も生きれば、
真新しいものはほとんどなくなって
大体分かってくるから、
生きることに必死にはなれなくなって
挑戦する過程の面白さは
失われてしまった。
と、思いがちです。
2日間集中すれば、
克服できるような
適度な難題を必要としています。
例えば腹痛のような。
宮崎氏は、
大手会社に勤めながらも、
周囲と比べて仕事に熱中できないことに
違和感を感じていたそうです。
そんな中あるゲームと出会って、
未経験からゲーム作りの業界に
転身したのが30歳。
たまたま出会いがあったから
かもしれませんが、
その生き方が
本当の挑戦ではないか。
と、腐った肉を前にして思います。
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