お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真(かわにしかずま)です。
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ふと夢を見たので、
駄文を書きます。
古いアパートの駐車場。
車は一台しか停まっていない。
空間が歪み、
モザイクのような背景から
一人の男が現れた。
階段を上り、
3階の部屋の前。
スマホをいじり、
メッセージを送る。
「ついたよ、と」
Kがメッセージを受け取ったのは、
単価の安いイラストをアップロードして
納品している時だった。
「いつも悪いな」
扉の前には、
体のラインがくっきり出る
スーツ風の服を着た男。
動きにくそうにみえる。
ボサボサ頭に無精髭、
ゆるいスウェットを着た自分とは
対称的だな、とKは思った。
「いいってことよ」
食料、日用品、仕事道具、
画材などを渡しながら男は言う。
「この頃は近場にお店も
なくなってきたからな……」
「まあね。
行ったことのある場所、
どこへでも転送できるアプリがあれば
場所なんて関係なくなるからね」
「助かるよ。
で、これから仕事かい?」
いつものマイバッグを4つ
受け取りながらKは男に聞く。
「あぁ、
今日は営業が4件。
ワープ疲れしそうだよ」
「そういうのオンラインでやらないんだな」
「オンラインとかテレワークとか
もう古いって言われてるよ。
対面で話しやすくなったしね」
「そうか……まぁ、がんばれよ」
「お前もはやくアプリ入れろよな。
そしたらもっと報酬のいい仕事、
受けやすくなると思うよ」
「はは。そうだな……」
男は手を上げて挨拶し、
駐車場まで出て
FreeWarpアプリを起動する。
現れた時のように、
男の周りがモザイクとなり
数秒後には消えていった。
窓からその姿をみながらKは思う。
(素粒子情報転送システムか……)
(ああやってワープして、
消えた人物と現れた人物が、
同じ人物だと言えるのか?)
ワープをすると、
自分が自分ではなくなって
しまうのではないか、
と、Kは怖くて試せなかった。
”ワープ必須”
最近ではほとんどの求人情報に
そんな条件がついている。
「俺もFreeWarpアプリ、
入れないとだめかな……」
人材過多となっている
”ワープなし可”
の仕事情報を眺めながら、
Kは狭い部屋でつぶやく。
数ヶ月後、Kは部屋で
FreeWarpアプリを起動していた。
画面には地図が表示されている。
「たしかこれで行きたい地域を選ぶんだよな」
「ふむ……この赤い地域は?」
感染防止地域だとかで、
赤い地域にはワープできなくなっていた。
「ふむ……じゃあ
それ以外の場所で試してみるとしよう」
ポチ。
…
…
いしのなかにいる
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