実験室とプラント設備の共通点

夢の話

お元気ですか、かにかまです。
かにかまって何?⇒プロフィールはこちら。

小さい頃、実験が好きで、
認識している世界が
広がっていくことに感動して、

今は大きな実験室である
プラントを持ちたい
という笑える夢を持っている。

そんな記事を書いた。

笑える未来のために、笑えた夢の話をしよう

今回は、
実験室とプラントの
共通点について書いていきたい。

反応プロセスの共通点

何かの物質を作る、
材料を作るという点で
その反応プロセスは
実験室でもプラントでも
同じものを使う。

実験室での
操作単位で言えば、
一例として

①物質Aを何g計る

②溶媒B何mlに溶かす

③触媒Cを入れ、物質Dと、
何℃で何時間撹拌して反応させる

④反応してできたものを分離して取り出す

といった具合だ。

反応の詳細については、
有機化学なんかでは
原子同士の
電子のやり取りで説明される。

ハロゲンから炭化水素に
電子を受け渡すことによる
ハロゲン化反応。

生成したハロゲン化アルキルに
強塩基(アルカリ)を反応させて
二重結合を作る、
脱塩基反応。

触媒を使って、
二重結合同士を反応させて
ポリなんとか
(エチレンとかプロピレンとか)を作る
重合反応。

いろんな種類があるし、
大学でも専門として習ったが
ほとんど忘れた。

 

過去の研究者たちが
反応の仕組みを調べて
利用できるようにしたことで
プラントを設計することが
できるようになっているんだよな。

すごいことだと思う。

反応の詳細は分からないが、
実験室と同じように
プラントでも反応をさせて
製品を合成していく。

抽象的にいうなら、

反応条件を揃える
(濃度、温度、圧力、触媒など)

  ↓

生成物を分離して取り出す

という流れは同じなんだ。

共通する流れをみていこう。

反応条件を揃える

上で書いたように、
反応条件には

  • 濃度
  • 温度
  • 圧力
  • 触媒

といった要素がある。

これらの要素について
比較していってみよう。

濃度の調整

実験室では、
電子天秤や、メスシリンダー、
ビュレットなどを使って
濃度を調整していた。

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ビュレット

例えば、
塩酸と水酸化ナトリウムを
反応させて塩化ナトリウムを
合成しようという時、

HCl+NaOH→H2O+NaCl

という化学式を使うので、
1:1の濃度で調整する必要がある。

同じ濃度となるように、
重さや容量を計ったり、
ビュレットを使って1滴ずつ
調整したりする。

プラントではもっと大雑把だ。

ロードセルによって
タンクごと重さを計ったり、

流量計や調節弁によって
濃度を調整したりする。

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パイプライン

設備の大きさは違うが、
目的は同じで
反応条件の要素の一つ、
濃度を調整することだ。

温度の調整

実験室での温度調整は、
電気ヒーターで温めた
油を使ったり、
氷水やお湯を使ったりする。

もちろん、温度計をみながら。

プラントでも基本は同じなんだけど、
電気ヒーターはあまり使わず、
蒸気や油を使うことが多い。

やはり電気代の問題だろうか。

そして調整は、
手動ではなく、
自動弁やプログラムを使って行われる。

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これは宇宙センターだけど、コントロールルームはこんな感じ

人がやるかコンピューターがやるかが
大きな違いだね。

圧力の調整

実は俺は、
実験室で圧力の調整を
したことがない。

ガラス容器を使うから、
高圧をかけることはできないし、
高圧が必要な実験も
やっていなかったんだ。

他の実験室でも
そうなんじゃないかな?

逆に溶媒を飛ばしたりする時は、
エバポレーターとか、
真空ポンプとかを使って、
低圧にしていた。

その時は小さくて、
分厚いガラス容器に
反応物を入れた覚えがある。

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形は似ているけど、もっと丸くて分厚いガラス容器

圧力を調整するというのは、
実験室では難しい。

と思ったが、
1977年にすでに研究されていた。

有機高圧化学反応ー最近の成果

例のごとく、
詳しいことは分からないが、
高圧で反応させることにより
収率(反応が進んだ割合)
が改善したようなことが書いてある。

プラントで製品を合成する時には、
この収率はもちろん、
反応速度もできるだけ上げたい
というのがある。

ロスが少なくなるし、
早く製品ができれば
それだけ利益があげられるから。

各容器周りに
圧力計がついていたり、
圧力が高くなりすぎた時には
吹き出して圧力を下げる
安全弁があったりする。

そして調整するのは、
やっぱりコンピューターだ。

触媒の調整

触媒というのは、
反応が速く進むよう
刺激を与えるようなものだ。

触媒がないと進まない
っていう反応もあるから
とても大切な要素。

アルコールとカルボン酸から、
エステルを合成する反応
とかあるけど、
この反応は平衡といって、
逆の反応が同じくらい進む。

アルコール+カルボン酸⇔エステル+水

ここで右側から水を取り除けば、
目的のエステルの合成が進む。

そのための触媒として、
脱水作用がある
濃硫酸を使ったりしていた。

プラントでも
いろいろな触媒が使われる。

有名なのは
アンモニアを合成する
ハーバーボッシュ法
という反応で、
鉄系の触媒を使って
高温・高圧で、
窒素と水素を反応させる。

高圧にしようと思えば、
設備も大掛かりなものになる。

最近新しい触媒が開発されたようで、
常圧で反応が進められる
ようになったのだとか。

アンモニア合成法の新たな展開

2021年に、
実用化予定ということで
楽しみだ。

生成物を分離して取り出す

化学合成は、
反応を進めただけでは終わらない。

溶媒や残り物など
不純物を取り除かなければ、
目的とする物質として
使えないからだ。

これにも様々な方法がある。

例えば、
溶媒に溶けているだけであれば、
温度をかけるか真空にするかして、
溶媒を飛ばせばいい。

液体と固体で分かれているのなら、
濾過すればいい。

ただし実験室でも、
プラントの反応でも、
目的とする生成物の他に
副生成物が混ざっていることが多い。

これを分離するには、
吸着率の違いを利用した
カラムクロマトグラフィー
などの手法が必要となる。

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シリカを詰めた筒の中を通して分離するカラムクロマトグラフィー

他には、
沸点の違いを利用した
蒸留など。

石油の精製なんかは
分かりやすいんじゃないかな。

石油精製の最適化
−株式会社JANAソリューション

大きな蒸留塔で、
軽油やら重油やらを
分離していく。

実験室と同じ仕組みなんだろうけど、
スケールがとてつもなく大きくて
ワクワクしてくる。

次回予告

今回は、
実験室とプラントの
共通点について書いてきた。

次回はもう少し細かく、
設備について書いていこうと思う。

プラントを持つなら
こういうことは考えておかなきゃ、
というようなことがあれば
ぜひ教えて欲しい。

メールアドレスと
お問合せフォームを置いておくから、
よろしくお願いします。

kanikama.jikoke@gmail.com

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