お元気ですか、かにかまです。
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何かを学ぶ時、効率良いのが総論→各論の順で学んでいくことです。
リスクマネジメントの全体像が見えるようまとめます。
マインドマップでリスクマネジメントの全体像を描いてみる
まずは、マインドマップという手法でリスクマネジメントの全体像を書き出します。
マインドマップ『リスクマネジメント』 pic.twitter.com/KgZCMUkT7i
— かにかま (@kanikama_jikoke) 2018年1月9日
はじめて描いてみました。木の枝のようにくねくねと線を書くことで、思考を刺激してくれるそうです。
リスクマネジメントの目的
会社にとってのリスクマネジメントと、個人にとってのリスクマネジメントで分けて考えます。
会社にとっての目的
会社にとってリスクマネジメントの目的は、会社を倒産させないことです。
そのためには、大きく分けると2つのリスクを管理しなければなりません。
- 収入に関わるリスク=目標達成を阻害する要因
- 支出に関わるリスク=大規模な損失が発生する要因
経済産業省発行『事業リスクマネジメント』によるリスクマネジメントの定義は、
「収益の源泉としてリスクを捉え、リスクのマイナスの影響を抑えつつ、リターンの最大化を追求する活動」
会社の利益を追求するためにリスクマネジメントをするのですね。
個人にとっての目的
また、個人におけるリスクマネジメントも考えられます。
この場合の目的は、安全・安心で幸せな人生です。
個人が生活していくにも、様々なリスクが存在しています。それらのリスクから、お金・健康・生きがいなどを守っていくこと、場合によってはリスクをとって追求していくことが個人にとってのリスクマネジメントです。
リスクの分類
リスクは、分類方法によって様々に分類できます。
事業活動との関わりの深さによる分類
- コアリスク:事業活動と密接に結びついているリスク
- ノンコアリスク:事業活動とはあまり結びついていないリスク
何がコアリスクなのかは、業界によって異なります。例えば、金融であれば為替変動などがコアリスクです。
理論別による分類
理論別にリスクを分類すると、4つに分かれます。
- 純粋リスク:顕在化すると、損失が発生するリスク
- 投機的リスク:利益になるか損失になるか分からないリスク
- 静態的リスク:天候、地震など世の中の状況によって変化しないリスク
- 動態的リスク:戦争など、世の中の状況に影響されるリスク
損失別による分類
- 財物リスク:実質的に資産が減少するリスク
- 賠償リスク:損害賠償のリスク
- 休業リスク:休業による利益減少・取引先損失などのリスク
実務上の分類
- ハザードリスク
- オペレーショナルリスク
- 戦略リスク
- 財務リスク
リスクマネジメントに関わる法律
リスクマネジメントに関わる法律を紹介します。
会社法
大企業(資本金5億円以上か、負債200億円以上)に対して、リスクマネジメント体制の構築が義務付けられています。(会社法100条)
労働安全衛生法
労働者の健康と安全を守るための法律です。
元請の責任や、事業者の責任が定められています。
リスクマネジメント規格
ISO31000や、JISQ31000に、リスクマネジメントが規定されています。
国によるリスクマネジメントの違い
リスクマネジメントというと、日本では危機管理をイメージしがちです。
アメリカでは、リスクマネジメントというと、保険です。
この違いには、2つの理由があります。
- 日本では1990年代までメインバンクが強く、金銭面で企業は守られていたこと
- アメリカでは、訴訟社会のため、賠償リスクが大きかったこと
ただし、日本でもメインバンクが弱くなってきたことなどから、これからイメージが変わっていくことが予想できます。
リスクマネジメントの要素
リスクマネジメントには、以下の要素があります。
- リスク認識
- リスク評価
- リスク対応
- リスクコントロール
リスク認識が最も重要
これらの要素の中で最も重要なのが、リスク認識です。
まずは、リスクを認識しなければ評価も対応もできないからです。
リスク認識力を高めるには、複数人でのブレインストーム、知識と経験を積んでリスクセンスを身につける、などの方法があります。
リスク評価には数学学的知識も必要
リスク評価では、リスクを影響度と発生頻度で評価します。
正しくリスクを評価するためには、確率論や統計学などの数学的知識も必要です。
手法として、グラフを作るリスキマップや、表を作るリスクマトリックスがあります。
リスク対応
リスクが認識できて、評価できたら、リスク対応を考えます。大きく4つの対応があります。
- リスク回避:リスクをとらないこと
- リスク低減:対策をとってリスクを低減すること
- リスク移転:保険などによってリスクを分担すること
- リスク保有:リスクが十分低ければ、何もしない
リスクマネジメントの団体(年代順)
リスクマネジメントに関する団体は以下のように多数あります。
- 公益社団法人日本アクチュアリー会(1899年設立)
- 日本リスクマネジメント学会(1978年設立)
- 一般財団法人リスクマネジメント協会(1996年設立)
- 特定非営利法人環境リスクマネジメント研究会(2004年設立)
- 日本リスク管理専門員協会(2011年設立)
- 一般社団法人リーガル・リスクマネジメント研究機構(2015年設立)
- 日本リスク管理学会(2017年設立)
近年新しい団体ができたりして、リスクマネジメント業界は活発なようです。
リスクマネジメントの資格
- CERA(日本アクチュアリー会)
- RMA(日本リスクマネジメント学会)
- CRISC(ISACA)
- PRM(リスクマネジメント協会)
国際資格もありますが、リスクマネジメントに関する資格が仕事にどれだけつながるかは不明です。
資格よりも、実務能力が求められます。
グローバルリスクの発表
毎年1月に、ダボス会議にてリスクマネジメントの専門家集団がグローバルリスクを発表しています。
今後「失業」リスクが大きくなっていくなど言われていますが、どのようなグローバルリスクが発表されるのか注目したいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
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