お前は一体何がしたい? 映画『ファイト・クラブ』

日常を楽しむ

お元気ですか、かにかまです。

『ファイト・クラブ』という映画をみました。

こちらの本の影響です。

樺沢紫苑『父親はどこへ消えたか―映画で語る現代心理分析』

精神科医である著者の樺沢紫苑氏によると、「究極の父性映画」だといいます。

精神科医の考える「父性」とは何か、という点で興味があり視聴しました。Youtubeでレンタルして即見れるなんて良い時代ですよね。

1999年の映画ですが、ご紹介します。

 

虚しさを感じて生きる主人公の姿

エドワード・ノートン演じる主人公は、
大企業に勤め、
高級マンションで大好きな家具に囲まれた、
裕福といえる暮らしをしています。

彼の職務は、リコール査定士。

事故の起きた状況を見て
リコールすべきかどうかを判断する仕事です。

判断基準は、
放っておくのとリコールするのと、
どちらが費用がかかるか、です。

顧客のため、という視点はありません。

その仕事は機械的で、
やりがいを感じられず
無意識に自嘲的になっている主人公の姿がみられます。

家族全員が
焼死した事故の査定をしている話など、
作品中に2度語られることから、
納得できないながら
その感情に気づかず
淡々と仕事をしていたのでしょう。

知らず知らずストレスで
不眠症になった主人公は、
精神科医の
「本当に苦しんでいる人を知りたければ
ここへいけ」
というすすめで、
がん患者や依存症の
自助グループに通い始めます。

自助グループに参加することで
人の苦しみ・やさしさに触れ、
つかの間の安眠を得る主人公。

しかし、
自助グループへ
マーラ・シンガーという女性が現れます。

マーラは、主人公と同じく
「本当の苦しみ」を抱えていない参加者です。

また眠れない日々が続き、
マーラを憎む主人公でした。

主人公の姿には、心理学でいう
「父親殺し」
ができていない人間の姿が表現されます。

  • 生きる目的・ビジョン・夢をもてない
  • 頭はいいけど、活かしきれていないと感じる
  • 結婚できない、しようと思わない

「あー、自分っぽい」

と共感してしまいました。

 

主人公のあこがれの姿

充実感を感じられない日々の中、
出張中に主人公の部屋が火事になり、
全ての家具が燃えます。

それをきっかけに、
主人公は出張先で出会った
タイラー・ダーデンの家に住むようになります。

タイラー・ダーデンの生き方は
主人公と対称的です。

仕事はフリーター。

平気でさぼったり、いたずらしたりする。

本音をいうし、殴られることも覚悟している。

ボロ屋に住んで、ものは持たない。

モテるし人を統率する力もある。

筋肉ムキムキ。

このような、いわゆる自由な生き方に
憧れている方は多いのではないでしょうか。

私は、前述の本を読んでいたこともあり、
「これが精神科医のいう父性か」
という目でも見ていました。

自由な生き方に憧れないわけではありません。

 

タイラーさん名言シーン

印象に残ったシーンを紹介します。

 

自己改善なんてマスターベーションだ。自己破壊がいい

トレーニングジムの広告写真に映る
マッチョな男性を見て。

「ファイト・クラブ」は
殴り合いで勝ち負けを争う場所ではなく、
殴りあう痛みを感じることによって
生きている充実感を得る場所といえます。

いわゆる「ドM」ではないのです。

 

全てを失った者だけが本当の自由を知る

主人公の右手を薬品やけどさせながら。

「痛みを消すな。受け入れるんだ」

「苦痛も犠牲無しじゃあ、何も得られない」

瞑想で痛みを消すなんてのは、まやかしの悟りだ。

「人生最高の瞬間なんだぞ! なのにお前は逃げるのか」

「いつか必ず死ぬってことを心に刻め」

「全てを失った者だけが本当の自由を知る」

文字だけじゃ伝わりにくいですが、
このシーンが一番カッコ良かったです。

ちなみに、自己啓発プログラムの中で
本当の自由を得る人は少ない
といわれています。

全てを失うなんてこと、
なかなかできませんからね。

ほとんどの人は何かしら
大切なものをもって生きています。

健康とか、家族とか、友達とか、仕事とか。

 

お前ら死ぬ前になにやりたい?

車を走らせながら、前を見ずに。

「お前ら死ぬ前になにやりたい?」

「今すぐ死ぬならお前は自分の人生をどう思うんだ?」

そのあと、ハンドルから手を離して事故ります。

車から這い出て、
「生きてるって実感だ、ハハハー」

クレイジーです。

タイラーさん自身の
この言葉を返したいですね。

「だれでもやってる。
独り言を言って、理想の自分を描いて。
だがお前のような根性はない。突っ走れない」

ほとんどの人は
そこまで突っ走れません。

同様の質問がもうひとつ。

フリーターに銃を突き付けて、
お前はもう死ぬ、
と言いながらこの質問。

「答えろ。
レイモンドは一体何になりたかったんだ」

獣医になりたかった、
と泣きながら応えるレイモンド。

「6週間以内に勉強を始めてなかったら、
殺しに行くぞ」

と、
強制的に夢を追いかけさせるスタイルです。

 

生きている実感とは

『ファイト・クラブ』をみて、
「ファイトクラブ」
という名のキックボクシングジムに
通っていた頃を思い出しました。

そのころ、やりたいことって
なんでもやってみていたと思うんです。

  • キックボクシング
  • バイオリン
  • トライアスロン
  • ブログ
  • 自己啓発
  • 転職
  • 結婚相談所に登録

今はどうか。あまり変わっていません。

趣味の内容は違うとしても、
ほとんどの人もやりたいことは
自然とやっていると思うんです。

だけど
「それが人生で本当にやりたいことか?」
と聞かれると、
少なくとも今の私は
明確に答えることができません。

そうしているうちに、
人生の残り時間が少なくなっていって、
最期に後悔するくらいなら、
持っているもの全部捨てて生きればいい。

自己啓発なんてやめて自己破壊に走ればいい。

我々はウジ虫だ。

そんなメッセージをこの映画から感じました。

やるかどうかは別として。

かにかま
だって今の人生結構お気に入りだし

 

次にやりたいこと

「人は持っているものに縛られる」
というのと似たような言葉で、
「偉大な人生を送る人がめったにいないのは
かなりの部分、
平凡な人生に満足すれば気楽だからだ」
(『ビジョナリーカンパニー②』)
というのがあります。

会社経営の本ですが、
生き方の本として
読んでみたいと思っています。

『ファイト・クラブ』日本語吹き替え版ーYoutube

お読みいただき、ありがとうございました。

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