即興劇で物語を作るTRPG『ストリテラ』

お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真()です。
アセンブリック教のご紹介はこちら。

2022年3月19日に公開された
新しいTRPGシステム
『ストリテラ』

これは面白いシステムです。

こちらのTRPGを遊んでみたので、
所感などをお伝えします。

オモテとウラの顔を持つキャラクターによる即興劇

『ストリテラ』では、
登場するキャラクターの
オモテとウラの顔を設定します。

例えば、

オモテ:怪奇事件専門の医者
ウラ:世界の滅亡を願う者

といった感じです。

シーンの中で
そのキャラクターがどう動くのか
俳優として演技(ロールプレイ)
をしていくゲームです。

一般的なTRPGでは、
ダイスを振って判定したり
戦闘があったりしますが、
『ストリテラ』では
そういったものを省いて

・物語を作る
・演技(ロールプレイ)する

といったところに集中できます。

ルールがほぼない(笑)

実はこの『ストリテラ』

ルールがほぼないため、
ルールブックなしでも遊べます。

一般的なTRPGでは、
複雑なルールがあり、
ルールブックを持っていなければ
まともに遊ぶことができません。

判定の時にダイスを何個振るか、
キャラクターの技能を
どうやって決めれば良いか、
戦闘の進め方は、
などなど。

『ストリテラ』のルールは、
たったの2ページで理解できます。

2ページで分かる『ストリテラ』

上は公式が公開しているものです。

シナリオによって提示される、
オモテとウラを決める。
他は自由に設定!

という、
プレイヤー任せなキャラ作成ルールで、
一般的なTRPGに慣れた人にとっては、

「これでキャラ作成できるの?」

と、不安になります(笑)

いろいろな技能をとったり、
経歴表を決めたり、
種族を決めたりしていくことで
キャラクターのイメージが浮かぶ
という流れで作成してきましたからね。

自由すぎて不安になるけどなんとかなる

不安になりましたが、
意外となんとかなりました。

というより、
予想以上に盛り上がりました。

一緒に遊んだ方の感想として、

「めっちゃ楽しかった」
「奥が深い……」
「自由だからやりたい放題」
「短い時間で濃密な体験ができた」

といったものがあります。

ルールブック持っていなくて
初めてのプレイだった人も含めてです。

なんとかなった以上に楽しめた理由として
以下のものがあると思います。

キーワードという指針

シナリオによって、
場面ごとにキーワードが
決められています。

このキーワードを
拾えるように演技していく
という指針があります。

演技の指針があるから、
自由であってもやりやすいです。

例えばこんな場面。

 地下水道からつながる隠し部屋。
 そこには、この街を滅ぼした怪物が封印されていたのであろう、巨大な封印装置が残されていました。
 床に突き立てられた何本もの剣は、そのすべてが砕けており、もはや封印を維持する能力はないことが分かります。
 強大な怪物がここで目覚め、この都市の住人を飲み込んでしまったのでしょう。

場面:封印地点の調査
キーワード:薄暗い部屋、見捨てられた存在、研究資料、失敗作、ランタン、不気味な水音、剣の破片、心当たり、さようなら

主演と助演、二人で協力して
キーワードを拾いながら
演技をしていきます。

ユーリ・ロア : 「えーっと?ここは…変な部屋につきましたよ!エリックさん!」好奇心に任せて、下水道までエリックを引っ張って来た

エリック=J=ヴェイカー : 「ユーリくん、こんなところを知っていたのかい? これは……」

ユーリ・ロア : 「知っていた訳ではなくて、ホラースポットマニアのカン的なものですが…なんだか【薄暗い部屋】ですね」キョロキョロ

ユーリ・ロア : 「明かりとかないかな?」

エリック=J=ヴェイカー : 「どうやら何かの研究施設のようですね」同じく薄暗い部屋を見渡しながら

エリック=J=ヴェイカー : 「【ランタン】のかわりなら、私が灯しましょう」魔法で杖に明かりを

こんな感じで。
これがなかなかやりやすい。

他者との相互依存による物語作成

キーワードを拾いながら演技する
といっても一人では大変です。

ブログ記事を書く時など、
キーワードを拾いながら……
ということはありますが、
なかなか物語にはなりません。

ですが他のキャラとの掛け合いであれば、
いくつかのキーワードから
やりとりを楽しみながら
物語を広げていくことができます。

一人で考えていると、
どうしても視点が偏ったり、
話の幅が狭くなったりしますからね。

それにしんどくなる。

今回はやり取りをしていたら、
いつの間にか3万文字程度の
物語ができましたよ。

ストリテラ『月光怪奇調査官』GMかに
GMかに : ――月光の都ムーンリット市。そこは一夜にしてゴーストタウンと化した。乗り捨てられたかのように、放置された車。食べかけのまま、冷めてしまったスープ。つい先ほどまで誰かがいた、その証拠だけを残して、すべての住民が姿を消したのだ。怪...

楽です。

私は、

オモテ:怪奇事件専門の医者
ウラ:世界の滅亡を願う者

というオモテとウラを持っていて、

治癒魔術を使って癒やすけど
再び傷付くことが繰り返されて
世界に絶望して滅亡を願うようになった

他人の傷を癒やすために、
自らの心を犠牲にしてきた

そんなおじさんキャラを思い浮かべました。

はは。まるで私じゃないですか。

それは空想の世界で
毎日の掃除、洗濯、歯磨きやお風呂や家事や仕事に追われて、 何が面白くて生きているんだろうか と思うことはないでしょうか? 年をとればとるほど、新しいものに出会うことは少なくなりできることも可能性も、人生の残り時間も少なくなっていきます。 一...

物語を作るための最小限の要素

『ストリテラ』のシステムから、
物語を作るための最小限の要素
を考えることができます。

  • シナリオによる世界設定
  • 裏の顔、
    本当の目的を隠し持つキャラクター
  • 場面毎のキーワード(指針)
  • 掛け合う相手

なんとシンプル。

シンプルだからこそ、
シナリオが作りやすく
現在オリジナルシナリオが
どんどん作られているようです。

もしかしてこれは、
ゲームだけではなく
人生においても同じではないでしょうか?

誰もが仮面(ペルソナ)を被って、
本当の願いを隠し持っている。

けれどその願いは普段表に出ない。

指針となるキーワードと、
掛け合う誰かの存在が
あなたの人生という物語を
大きく広げていく……

願いを叶えるために必要なのは、
その2つのみ。

そんな世界だったらいいですね。

『ストリテラ』を遊ぶ方法

オンラインで募集されていたりします。

「ストリテラ 募集」
などで検索してみてください。

それがあなただけの物語の
はじめのキーワード。

もし、
ルールブックも持ってないし
募集もそんなにないし
ということがあれば、

私にメッセージをくれても良いです。

最初の掛け合い相手には
きっとなれるでしょう。

kanikama.jikoke@gmail.com

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