小さな公園で最強の野犬に出会った件

お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真()です。
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最近現場で野犬に遭遇しました。

整備された、
安全な環境に馴染んだ人間と
家などもたず己の身一つで生きてきた野犬。

相反した道を歩んできた両者が出会った時、
何が起こるのか。

この記事でお伝えするのはそんな、
マンミーツドッグの物語です。

野犬はなぜ強いのか? もともと強いからよ

現場に向かう途中の小さな公園。

痩せこけて、
毛並みの整わない一匹の野犬が
トボトボと道路を横断しています。

こちらの気配に気付いたのか、
振り返る彼。

グルル……

低く唸る。
目には警戒の色。

彼我の距離は10m未満といったところ。

今襲いかかってこられたのなら、
腕……あるいは脚、
いや、もしくは首元まで
飛びかかってくるかもしれない。

野犬の口元には牙が見える。

傷が致命傷にならずとも、
その唾液から、
狂犬病に感染し……

死。

邂逅の瞬間にそこまで想定され、
動かなくなる身体。

呼吸は浅くなり、
心臓は素早くビートを刻む。

身構えたまま見合う二人。

やがて……

彼は木々の中に姿を消していきました。

ふぅ。

安堵とともに実感するのは、
私が負け犬であったということ。

ぬるま湯につかった人の身では叶わぬ、
自然界に生きるものの力を
思い知ったのでした。

自然界の土俵では野犬に勝てない

今でこそ人は文明を発展させ、
安全を確保していますが
身一つで自然界という土俵に立った時、
野犬に勝てない弱い存在です。

弱者が自然界で生き残る手段は、
自分だけが勝てる土俵に立つこと。

そうしてニッチな土俵が多く作られて、
ナンバー1だけが生き残り、
生命は進化してきました。

今、現場へ向かう途中の公園
という土俵の上では、そう。

お前がナンバー1だよ……

野犬こそがナンバー1でした。

弱者ほど複雑さを好む

人間は弱い。

それでも現在繁栄して、
安心して社会で暮らせているのは
複雑さに振り切った結果です。

自然界における弱者の戦略として、
複雑さがあります。

ガゼルがチーターから逃れる時、
一直線に逃げるとするなら
とても逃げ切れません。

チーターが時速100キロで追いかける
に対して、
ガゼルのスピードは時速70キロ
に過ぎないのですから

ところが急旋回したり、
ジグザグに走ったりすることで
3割ものガゼルが逃げ切っているといいます。

勝負の鉄則として、

強いものは単純に。
弱いものは複雑に。

というものがあります。

自然界において、
人間ほど複雑な生き物はいますか?

人間ほど弱い生き物はいるのでしょうか?

人間は進化して複雑で弱くなった

狩猟採集時代の人間であれば、
野犬よりも強かったかもしれません。

獲物を求めて歩き回り、
身体が弱れば死んでいくという、
現代社会よりもずっと、
シンプルな生活をしていた時代です。

狩りをせずとも食料が手に入り、
病気や怪我も治せる現代社会は

昼も夜もなく働くこともできるし、
働かなくとも生きていけるし、
様々な働き方もある。

その代わり、
狩猟採集時代よりもずっと複雑です。

そして社会が複雑になった分、
人は弱くなっていった
と思うのは私だけでしょうか。

エントロピー増大の法則

複雑になっていくのは、
人間社会だけではありません。

熱力学や統計力学や情報理論に
エントロピー増大の法則
というものがあります。

部屋がだんだん散らかっていくように、
規則正しく並んでいる状態から
ランダムに散らばって
バラバラになっていく
というものです。

自然界に目を向けてみれば、
高いところにある植物を食べるキリンや、
毒があるために、
他の生物が食べないものを食べるパンダなど、
場所を求めて散らばっています。

ニッチな居場所があれば
枝分かれするのが生物の法則です。

神に逆らうのも人間らしさ

複雑になっていくという
宇宙の法則が神だとするなら、

神に逆らい
強くシンプルであろうとするのも
人間らしさではあります。

 
 ・楽ではないけど、パイオニアプランツという生き方もある
 ・自らの意志で生き方を選べる人間が、神を信じることにするならばそれは他の生物よりも尊い

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