心の中の甕星

お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真()です。
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大甕神社というところに行ってみようと思っています。

大甕神社が近くにある場所に
ちょうどいるから、
というだけではなく
天津甕星の神力にあやかりたいからです。

大甕神社には天津甕星、別名
天香香背男と呼ばれる
神様が封じられています。

月間ムーで特集を組まれていたのですが、
天津甕星は日本書紀において
鹿島・香取の二神が葦原中国を
武力で平定していく中、
最後まで抗って平定されなかった”邪神”です。

消された邪神カカセオと超古代「星神王朝」の謎/MUTube&特集紹介  2023年5月号

この記事では
天津甕星の神話をとっかかりとして
妄想をしていきます。

明けの明星を象徴する神様

江戸時代後期の学者、平田篤胤によると
天津甕星とは金星のことだそうです。

金星と言えば、明けの明星。

夜明けとともに消えゆく星々の中で、
最後まで輝き続ける姿に、
運命に抗い続ける人間
をイメージしたのかもしれません。

天津甕星は巨大な石になって
高天原を攻め落とす勢いで反抗するのですが、
油断した隙に背後から
織物の女神である建葉槌命に
蹴り砕かれてしまいました。

あっけない終わり方ですよね。

人の最後もそのようなものでしょうか。

どんなにあがいたとしても、
結局運命に飲み込まれるわけです。

例えば、

あなたのための物語』主人公の

サマンサ・ウォーカーの気持ち。

「なんでわたしなの。なんで、他の誰かじゃないの」

 これまでに何十億という死者がぶつけた、
救いも満足ももたらさない無意味な問いだ。
 逃げたかった。けれど自分の身体からどうやって逃げたらいいかはわからなかった。

神様なのに、
消えていく運命に抗うとか
なんだかかっこいいと思います。

肉体の奴隷

一方人間は、
どこまで運命に抗えるのでしょうか。

花粉症でくしゃみに苦しんでいる時とか、
食べ過ぎで胃がもたれている時とか、
腐った肉を食べて腹痛に苦しむ時とか、
部活でみんなと同じように練習して
一人だけ怪我をして練習を見学している時とか、
冬の現場立会で寒さに震えている時に、

この身体、なんとかならねえかな……

と思ったりします。

人は身体からは自由になれません。

生まれ持った身体の性能は違いますし
いつか死ぬことが決まっています。

食べなければ身体を維持できませんし、
定期的に眠らなければなりません。

メンテ不要で生き続けられたらいいな……

お風呂に入らなければ臭くなりますし、
排泄物は嫌な匂いがしますし、
いつも酸素を取り入れて、
二酸化炭素を吐き出さなければなりませんし、
高所から落ちれば怪我をしますし、
重たいものを持ち上げることはできませんし、
水の中では息ができませんし、
年を取るとともに動けなくなっていきます。

いつまでも、いくらでも働きたい
と思っても肉体はそれを許してくれません。

私たちはどうしてこんなに、
この世界に存在することに
適応できていないのでしょうか。

地球と言うゆりかごで産まれた人類が、宇宙へ出るにはこの身体は脆弱すぎる。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』

理不尽だと思いますが、
どうにもならない現実に歯向かっても
幸せにはなりません。

ただ絶望するだけ。

そんなことで悩むより、
もっと現実を見たほうがいいよ。

なんて意見もあります。

現実ではどうしていたのでしょうか、
生物たちは。

現実を見て現実から逃げる

私の大好きな本、

弱者の戦略』では

強者ではない動植物などは
逃げる、隠れるなどして

戦わない
正面から向き合わない

という選択肢をとります。

やはりどうにもならない現実には
歯向かわない方がいいのでしょう。

天敵の鳥が活動しにくい
夜に活動する蛾のように、
強者の力の及ばない世界で生きることです。

例えば現実世界ではなく、
神話や空想の世界。

人間がアンデッドになったり、
上位者になったりする世界。

現実を見た結果とる行動が、
現実逃避だったというのは
皮肉ですよね。

現実と戦っても生きられない。

だからといって、
逃げ続けることもできない。

でも正面から戦ったところで砕け散るだけ。

没法子ですね。

それでも抗う意志を残すように

没法子というのは中国語で、
どうにもならない、仕方のないこと
これでいいのだ
というような意味です。

諦めることで幸せになれます。

それでもやっぱり
納得できないものがあります。

どうにもならないことで悩むより、
もっと現実を見たほうがいい、
という意見は分かりますし、

肉体からは自由になれない
というのも分かるのですが、

それでも願うことができるなら
人の精神の勝利だと思えるのです。

蒼穹の昴』主人公の
春児が言っていました。

大切な人が没法子と言って
人生を諦める現実をなんとか壊したい。

そのために自分の大切なものを、
文字通り切り落として
未来を切り開いていく物語です。

そんな物語から私は少し勇気をもらいます。

ドラクエで最初の町から一歩も出られない勇者

一方私に、
理不尽に抗うために
大切なものを犠牲にするような
覚悟はありません。

神様に言われても、
イサクを生贄に捧げられない
アブラハムのようなものです。

ドラクエで言えば、
街の外のスライムにびびって
冒険に出られない勇者。

ダークソウルで言えば、
不死院のデーモンが倒せずに
北の不死院から出られない不死人。

ダークソウル3で言えば、
灰の審判者グンダが倒せずに、
墓所から出られない灰の人。

冒険に出てしまえば、
その先にはもっと強敵が待ち構えていて
きっと何度も打ちのめされて、

心が折れそうだ……

というメッセージを残すようになる。

そんな未来を考えてしまって、
情けないけど、
覚悟なんて決まりません。

もしかして山椒魚なのでは?

この記事を書いていてふと思いました。

私が自分の身体だと思っているのは、
実は山椒魚の身体なのではないか、と。

メンテをしないといけない身体に、
理不尽さを感じていたとしても
かわいい山椒魚のお世話だと思えば
楽しんでやれる気がします。

かわいい山椒魚

山椒魚は突然餌を食べなくことがあります。

大抵は時間が解決してくれますし、
1ヶ月単位で絶食をしても大丈夫な生き物です。

だから食欲がなくても
必要以上に心配して
気疲れしないようにしましょう。

 

このように、
現実に妄想の仮面を被せれば
少しは楽しくなるでしょう。

どうやって?

ビルゲンワースの蜘蛛が、
あらゆる儀式を隠したように?

わかんないっす。

 

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