お元気ですか、かにかまです。
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お盆休み中ですが、暑いので涼しくなるようなことを考えました。氷山のことです。
人の意識は氷山に例えられることがあります。海面上に見えている部分が顕在意識、海面下に沈んでいる部分が潜在意識といったかたちです。
「聞いたことはあるけど、良く分からない」
「潜在意識って何?」
といった方にも分かるように書いていきたいと思います。
意識は氷山、では海は?
意識は海に浮かぶ氷山に例えられます。ここから、思考の真実を考えてみます。
まずは、手書きでモデルを書きました。
海に浮かんでいるひとつの氷山が個人です。
氷山のうち、海面に出ている部分を顕在意識、海中に沈んでいる部分を潜在意識とします。
そして、意識や無意識を伝達する場=海はインターネットや日常です。集合的無意識というのは後ほど説明したいと思います。
顕在意識と潜在意識
「小学3年生に潜在意識のことを理解してもらうにはどう説明したらいいでしょうか?」
こんなことを尋ねられたことがあります。当時の私はうまく答えが出せなかったのですが、今の私ならこう答えます。
「心臓を動かしているものだよ」
と。
試したことはないのでうまく伝わるかわかりませんが、イメージしやすいのではないかと思っています。
心臓を自分で動かすことはできませんよね?しかし、寝ている間も心臓は動いています。また、運動したり緊張したりすると、心臓の鼓動が速くなります。
このように、考えなくても心臓を動かしたりコントロールしているものが潜在意識です。
潜在意識には、怪我をしたら治す仕組み、習慣的行為を無意識で行う力、自然と湧きあがる感情、といったものも含めてもよいでしょう。
潜在意識に対して顕在意識とは、認識できる意識です。
「私は今、シロクマのことを考えている」というような、自分で認識できる「考え」を顕在意識といいます。
氷の比重0.92:水の比重1
海面上に見える氷と沈んでいる氷の割合は、浮力と氷が沈む力の釣り合いで決まります。
浮力=水に沈んだ部分の氷の重さ/0.92=氷全体の重さ
水に沈んだ部分の氷の重さ/氷全体の重さ=0.92
約9割が海中に沈んでいる部分ということになります。
考えている、と自覚できる顕在意識よりも、潜在意識の割合が大きいということです。
潜在意識の発見
無意識の発見
心理学において、潜在意識は20世紀最大の発見だと言われています。フロイトという心理学者によって発見されたもので、無意識のことです。
車の運転を覚えるとき、最初は意識しなければ運転できなかったのが、慣れてくると自然と運転できるようになりませんでしたか?無意識が記憶することで、自然と体が動くようになるのです。
無意識の区別
ユングという心理学者によると、無意識は個人的無意識と、集合的無意識に区別されます。集合的無意識とは、全ての生物に共通した無意識といわれます。氷山に例えると、海面から上が顕在意識、海面下が潜在意識、それぞれが海によってつながっている、という感じです。
潜在意識=神という考え方
さらに、ニューソートというキリスト系宗派によって、潜在意識=神という考え方が広まりました。「潜在意識に願望を刻むことで、願望が叶う」という思想を広めたジョセフ・マーフィーという人は、このニューソートの牧師さんだったようです。
自己啓発で言う潜在意識は、一般的にはマーフィーの潜在意識のことです。引き寄せの法則やマーフィーの法則で使われています。宗教から生まれたということから、自己啓発が宗教っぽく感じられるのは仕方ないのかもしれません。
潜在意識の発見まとめ
- フロイト ・・・顕在意識と潜在意識を発見。
- ユング ・・・潜在意識=無意識を個人的無意識と集合的無意識に区別。
- マーフィー・・・潜在意識=神という思想。自己啓発の思想として広めた。
影響しあう氷山
海には氷山がひとつではないように、現実でも一人ひとりの意識があります。日常生活だけでなく、インターネット上においても個人の氷山が浮かんでいると考えられます。
気分や習慣は感染する
氷山とは氷で、海の水が固まったものですよね。別々のように思える氷山も、元々は同じ海の水です。
ただし、周囲の海水に混ざっているものよって、氷山の性質も変わります。
「朱に交われば赤くなる」とはよく言ったものだと思います。
心理学の実験では、気分や習慣といったものが「感染する」という結果が出ています。
『スタンフォードの自分を変える教室』第8章【意思力はうつる】参照
情報発信=顕在意識を溶かしていく
情報発信を氷山モデルで考えると、顕在意識を日常やインターネットの海に溶かしていくことと捉えることができます。
私の考えでは、発信する情報によって自分の潜在意識も影響を受けます。価値ある情報を発信していきたいですね。
集合的無意識の影響
次に、集合的無意識から受ける影響をみてみます。
現場の安全管理において2Sが基本な理由
現場の安全管理において、2S(整理、整頓)が基本と言われます。集合的無意識の観点からその理由を考えてみましょう。
2Sが出来てない現場では、散らかっている現場が放置されているということから「誰も管理していない」という集合的無意識が作られます。そうなると、現場で働く人たちのルール違反や不安全行為が増えます。
2Sが出来ている現場で必ず事故が起きないということではありませんが、みなさんが協力的になり、仕事がすすめやすくなることが多いです。
「割れ窓理論」とも呼ばれていますね。
- 割れた窓が放置されている
- 誰も管理していない
- 悪いことをしても怒られない
- じゃあ自分が楽な方法をとろう
- 犯罪の凶悪化
という集団心理です。これは、その人たちが元々悪いということではなく、集合的無意識の影響を受けてしまっていることが原因でしょう。
自分の意識は当てにならない
どれだけ自分の意識があてにならないかについては、こちらの動画も参考になります。選択肢がひとつ増えるだけで、重大な選択でもコントロールされてしまうという実験結果が得られてしまっています。
意識の境界
意識が影響しあうということは、仏教でいう縁起でも説明できます。自分と思っているものも周りとの関係でできあがったものです。
育った環境、出会った人によって自分の価値観が作られます。氷山を作っている物質も、周りの海水なのです。
もっと大きな視点を持つことができれば、境界がなくなり、「自分という存在と宇宙は同じものだ」と悟りを開くように思えます。まだ、そのあたりを言語化することはうまくできません。
しかし、自分の思考によって周囲に影響を与えていく、周囲からの影響で自分が影響を受けている、といったことを認識していくと、意識の境界は徐々になくなっていくのではないかと思います。
まとめ
人の意識を氷山に例えることで、顕在意識、潜在意識、集合的無意識を考えてきました。
人の意識は、他人や日常から影響を受けています。逆に考えると、自分や身の回りを良い方向へ変えていこうとすることで、友人や家族にも良い影響を与えることができます。
「自己啓発は己のためならず」だと、私は考えます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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