「安全」の定義をなめてる現場監督

お元気ですか、
アセンブリック教団代表
河西数真()です。
アセンブリック教のご紹介はこちら。

「安全第一」
現場で合言葉のように
繰り返されている言葉ですが、
疑ってしまうことはありませんか?

「安全とは何ですか?」

「怪我をしないことだ」

そう言う割には、
工期短縮を依頼したり、
見積り金額を値引きしたりして
十分な安全対策をとれない。

事故や怪我が起きたときだけ、
分析だ対策だと騒ぎ出す。

なんか、
矛盾してませんか?

この記事では、
安全の定義について
なめていきます。

安全についての他の記事はこちら。

安全とは

国際規格ISOによると、
安全とは

許容できないリスクがないこと

と定義されています。

言い方を変えると、
すべてのリスクが許容できること
となります。

「怪我をしないこと」
という定義は
もはや間違いなことが分かりますね。

危険をゼロにする
「絶対安全」ではなく、
リスクが残っていることを
前提としていますから。

例えば、
怪我をしたとしても
「このくらいの怪我なら大丈夫」
と思える程度であれば
安全だと言えるのです。

リスクに対して
対策を取ることは
時間やお金などの
コストがかかります。

そのため、
すべてのリスクに対策をとるのではなく、
許容できるリスクについては
放置しておきます。

では、
リスクを許容できるか
できないか
その基準はどうやって決めるのでしょうか?

安全の定義

安全である=なめている

安全の基準は
人によって変わります。

  • 絶対に怪我も病気もしたくない人
  • 少しくらいの怪我ならいいと考える人
  • 死ぬこと以外はかすり傷な人
  • 死んでもいいわという人

許容できるリスクの範囲が
広がっていくことは
おわかりいただけると思います。

リスクというのは、
自分たちでコントロール
できるものばかりではありません。

経済状況だったり、
天候だったり、
自然災害なども
リスクとしてありますよね。

そのような状況で
「安全でありたい」
のであれば、
リスクをなめていくことです。

死んでもいい人にとっては
どんなときでも、
世の中は安全でしかないのです。

本当は「安全第一」ではない

また、
時と場所と状況によっても、
どこまでリスクを許容できるか
変わってきます。

普段、安全安全という人が
工期のない工事になると

とにかく工事を終わらせよう
安全は妥協しよう

という気持ちになるものです。

人生においても、
安全で平穏な毎日を望みながら、
いざ死を前にした時、

あるいはあとどれくらいで死ぬか
分かってしまった時、

人が本当に望むことは
「安全第一」
ではないはずです。

リスクを負ってでも
成し遂げたかったこと、
とことんやりたかったこと、
思い出すのではないでしょうか。

「安全第一」
で生きてきた人が
人生の最期で後悔する
なんて悲しすぎます。

「安全第一」
自体にリスクがあるのです。

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なめてるやつにとっての安全管理の仕事とは

なめてるからといって
安全管理の仕事が
できないわけではありません。

むしろ、
なめてる人のほうが多いかも。

当然ながら、
なめたままで安全管理をしていたら
怒られたり、
クビになったりします。

会社にとっての
あるいは日本にとっての
「安全の基準」
に合わせる必要があります。

もし基準を、
死んでもいいわの人に合わせると
どうなるでしょうか。

ヒャッハー
世紀末ですね。

失うものを何も持たない
「無敵の人」
の基準ですから。

建設現場にも
いろいろな人が来ます。

なかには、

腕や脚の一本失っても
関係ねぇ、仕事しろ

という人もいるのです。

そういう人たちの感覚と、
会社や国の感覚の間には、
大きな差があります。

その差を埋めていく、
つまり、
考え方や価値観を合わせていく
というのが
安全管理の仕事の一つです。

なめてるやつの方が
会社とずれている価値観を
理解しやすいですよね。

だから、
安全管理の仕事をする人には
なめてる人が多いのかもしれません。

まぁ、難しいですが。

まじめにやりすぎて心を病む
というのもリスクですしね。

絶対安全は存在しない

何もリスクがないとか
一切怪我をしないとか
そういう
「絶対安全」は存在しません。

安全でさえ、
人の価値基準によって線引される
あいまいな概念です。

どこまでが安全なのか。

わからない世界で
「安全」を感じていたいのであれば、
一緒に人生をなめていきませんか?

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いつでも慎重に完璧な準備をして
臨めたらいいのですが。
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心の安全も大切です。
具体的な対策方法を書きました。
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