お元気ですか、かにかまです。
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現場監督をやっていて、
「仕事ができない」
「でも現場監督を続けたい」
という葛藤に悩んでいませんか?
それは仕方のないことです。
おもしろさと難しさの
両方があるのが
現場監督の仕事ですから。
「自分は動かずに、
人に指示を出すばかりの偉そうな人」
私も、仕事につく前には
現場監督について
そのようなイメージを持っていました。
私は、化学プラント関係の現場監督として
働き始めて9年目になります。
下請け監督から、派遣監督、
元請け監督と、色々やってきました。
この記事では、
そんな私が実際に働いて思う、
現場監督という仕事のおもしろさ、
難しさをお伝えします。
両方の面を知ることで、
「本当はどうしたいのか?」
という自分の気持ちに気付く
きっかけになると思います。
その他の現場監督についての記事はこちら。
→人生をなめると現場監督の仕事もうまくいく
→「何をしても無駄……」 現場監督と学習性無力感
→現場監督のための「心の病」対策方法
現場監督とはどういう仕事か
どんな仕事なのか、おおまかに説明します。
思考を現実化させるお仕事です!
ものは二度作られるといいます。一度目は頭の中で作られて、二度目は現実に作られる、と。
現場監督の仕事は、設計された(=頭の中で作られた)ものを現実化させる仕事といえるでしょう。
自己啓発で、「思考は現実化する」と言われたりしますが、現実化させているのは現場の人たちです。建設工事では、一人で完成させることはできません。多くの人の力を借りながら、設計者や施主の思考を現実化させていくことがおもしろさのひとつです。
一方、設計に致命的なミスがあったりすると、現場でみんなと苦労したことが全て水の泡になります。一般化できることと思いますが、上流工程になるほど、ミスが致命的です。
ミスをしないよう、またミスをしても早期に発見することができるよう、何人もの目でチェックしながら設計を進めていきます。
一緒に作業をすることもあります
下請け監督時代、色々なことをさせてもらいました。
配管工事を主に受注している部署だったのですが、自分で寸法をとったり、配管の仮組みをすることもあります。簡単なものに限っていましたが。
チェーンブロック担いで足場に上ったりもしました。経験のないことで上手くできず、職人の先輩に教えてもらったりと、楽しかったですよ。お互いの不幸を笑いあったり(笑)
監督の仕事は、作業することではありません。本当は、作業以外にやることがあります。ですが、下請け監督としては、やって覚える、ということも多いのではないかと思います。
仲間と協力して目的を達成するおもしろさ
工事の完工に向けて協力しあって、出来上がっていく過程はなんともいえません。まさに「仲間」といえるような関係を築くことができるのもこの仕事のやりがいでしょう。
一方、残念ながら責任のなすり合いになってしまうこともあります。これは、災害などの問題が起こった時や、責任範囲が明確になっていなかった時などに起こります。段取りを間違えてしまったり、抜けてしまったりすると、大変です。
自分で責任をもった人との協力的な関係を、自己啓発の言葉ではマスターマインドといいます。人との関係性は、現場監督という仕事ではとても大切です。
安全・品質・工程・コストを守る責任があります
現場監督には責任があります。労働安全衛生法を守っていないということが分かれば、罰金や書類送検などを受けることになるでしょう。また、労働災害が起これば、業務上過失障害などの罪に問われる可能性もあります。そうならないよう、勉強し続けましょう。
品質・納期についても、もはや守ることが当然のような雰囲気があります。段取り次第では、納期のために安全・品質が犠牲になることもあるかもしれません。
考え方によっては、恐ろしいものです。どれだけの対策をしても、リスクゼロにはなかなかできないのですから。
自分ではできないことを人にお願いする
「自分ができないことを偉そうに指示するんじゃない!」
という感情的な意見は大変わかります。私もそう思っていました。
しかし、現場監督という仕事をしていたら、ほとんどは自分ができないことを人にお願いすることになります。業種も幅広いし、一人で全部のことを覚えることは不可能でしょう。大切なのは、謙虚な気持ち、他人を理解し、尊重する気持ちだと思います。
「この人は私を分かってくれている」
という信頼関係ができれば、仕事もやりやすくなります。
現場監督の仕事はブラックなのか?
現状でいうと、ブラックな面があるといわざるを得ません。納期厳守で、お金も限られている、そのような工事ではブラックな働き方になってしまうでしょう。
また、人手不足で一人で何もかもしないといけない状況になってしまうこともあります。
しかし、国として状況を変えていこうとしていますので、徐々に変わっていくのではないかと期待しています。
国がしている対策の具体例は以下のようなものです。
国の建設人材不足対策
人材確保施策
- 「建設業魅力発信キャンペーン」「戦略的コミュニケーション」等戦略的広報の実施
- 地域における元請・下請、行政、教育機関等の関係者間の連携による地域毎の人材確保策の推進
- ハローワークでの「建設人材確保プロジェクト」の実施
- 人材確保に資する助成制度の活用促進(業界への周知、活用ガイダンスの実施等)
- 社会保険未加入対策の更なる推進(法定福利費確保の推進、未加入業者に対する指導等)
人材育成施策
- 地域における元請・下請、行政、教育機関等の関係者間の連携による地域毎の人材育成策の推進
- 人材育成に資する助成制度の活用促進(業界への周知、活用ガイダンスの実施等)
- ものづくりマイスター制度を活用した、若年入職者の実技指導
- 職業訓練施設の共同化、広域化等による機能強化に向けた検討
人材移動の円滑化施策
- 設業務労働者就業機会確保事業の活用促進
ただ、それだけの予算が確保できているのか、効果が期待できるのか、というと難しい問題だと思います。
出典元:平成25年6月21日『当面の建設人材不足対策』厚生労働省・国土交通省
(見出しのデザインは変更しています)
現場監督の業種(プラント関係)
現場監督といっても、多くの業種があり、求められる知識も全く違う可能性があります。
プラント関係で大きく分けると、建築・機械・電気・空調という業種です。それぞれの業種の説明を簡単にすると、以下のようになります。
ちなみに、プラントとは化学製品などを作る工場のことです。
建築
建築工事には、多くの業種が含まれています。同じ現場にて多くの業種、業者の管理をしていかなければならないところは、建築工事の難しさです。
業種の例は以下の通り。
- 測量
- 地質調査
- 土工事
- 型枠
- 鉄筋
- コンクリート圧送
- 左官
- 鉄骨
- 内装
- 建具金物
- 配管(給水、衛生)
- 塗装
多いですよね。建築工事の元請け監督となれば、全ての業種の人たちと調整をしなければなりません。
大変ですが、やりがいも感じられる業種だと思います。
機械
プラント関係では、大きく分けたときメインの業種となります。機械器具設置業という建設業許可を元請が持っていることでしょう。
主な業種は、機械関係と配管関係です。人の体でいうと、機械は内蔵、配管は血管に例えられます。
- 機械製作
- 機械据付(タンク、ポンプなど)
- 配管(プラント関係)
電気
電気がなければ、機械も動きません。操業中の急な停電時には、多くのトラブルが起こり得ます。
扱うものも目に見えませんので、慎重な確認作業が重要となります。人の体では、神経に例えられます。
- 盤据付
- 配管配線
- 制御、調整
空調
住宅においても一般的な空調です。現代において、人が快適に過ごすためには欠かせません。
プラント関係においては、クリーンルームなどのシビアな空調が要求されることもあります。
- 配管(温水、冷水など)
- ダクト
- パッケージエアコン取付
- 空調機据付
まとめ:建設業おもしろいよ
以上、おおまかに現場監督のおもしろさ、難しさをお伝えしてきました。
ものを作るという苦しみ、出来上がった時の喜び、どちらも現場監督をしていて味わうことができます。
私が話をきいた先輩は皆いうことがあります。
「自分には無理だと思ったことがある」
それほど、奥が深い仕事なのだと思います。
自分の能力の限界にぶつかったとき、人は本当の意味で自己啓発を求めるのではないでしょうか。
ともあれ、仕事は楽しく!やっていきたいものです。
あなたは仕事を楽しめていますか?
今、「仕事ができない」と
思っていたとしても、
楽しめているなら続けたらよいと
私は思います。
【こんな記事もどうぞ】
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→仕事ができない現場監督が転職して年収2倍になった理由
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